しっぽをくるん

ぺらねこのにっき

必要以上に便利な食べ物はやばい

世界は人間に優しすぎると思う。

アジの手開きを見て唐突に思い出した。

なぜこんなにも可食部とそうでない部分が簡単に選別できるのか。もはや餌食ではないか。

あけびやいちじく。種まで食べられる多くの果物。本当に野生なのか? と思うほど都合良く出来てる。そりゃインテリジェントデザイン論も滅びないわ。

バナナは野生だと種が多くてとても食べにくいらしい。そこまではいいんだが、樹木としては恐ろしく脆弱な構造だそうで、パンチで切り倒せる。いやそういうサバイバル番組をみたから、ホントだってば。

雨が降る前に、体を冷やさぬためのシェルターが必要だ。からのバナナの木にパンチを打ち込む主人公は、何を始めたのかわからなくて流石に混乱した。

が、バナナの木を二本殴り倒したあと、その幹を柱にして、葉っぱを衣服にすることで、主人公はモザイクを卒業した。※そういう番組なのだ。

一方人間は人間で人間をだめにすることに熱心すぎる。4L焼酎瓶に入った柿の種。あれはほんとに良くない。

柿の種を飲むように食べることができる。柿の種は食感を楽しむ食べ物だと思うけれど、一粒づつ食べるときと口中に頬張るときでは、大きく食感が違う。

わたしはちまちま食べるのはお通しで出てきたときだけで、普段はザラザラっと口に流し込み、ジャクジャクジャクと噛み砕いて食べるのが好みだ。

結果、6袋入りの柿ピーはふたくちみくちで消え去る。

こういう食べ方は確実に体に悪いが、原稿が詰まったときには柿の種を飲むことでご飯を省くこともする。ご飯は省かないほうがいいし、温かい飲み物をとったほうがいいし、そもそも肉を食べないから体が冷えていくので絶対やめたほうがいいんだが、お米よりおモチより流動性が高くて日持ちするために、選択肢から外せない。便利にすぎるのだ。

同様の理由でジャイアントコーン(トウモロコシのでかいやつ)を揚げたやつも好きだ。食べすぎると腹の中で膨らみ、豊富な繊維質で腸内がリセットされる。胆汁が行き渡る前にお腹の中を通過するので、まっしろなウンコが見られる。見たいとは思わないが……。

ホワイトうんこが出たとき、わたしはまともな食事のことを考える。消化に良く、腹に程よい負担がかかり、栄養もあるやつだ。

トルティーヤにはワカモーレをディップするように、格好の餌食だけを食べるべきではない。

研いで炊くだけで食べられる長期保存可能な米でもお味噌汁と組み合わせるのが基本であり、米だけを食べると脚気になる。

体の中を駆け抜けていく食べ物たち。餌食ばかり食べていては行けないのではないか。そんな気持ちを抱く日もあるって話でした?