ラーメンハゲのセリフにいいものを作れば客がつくなんてナイーブな考えはやめろ! というようなものがあったかと思う。
このセリフのあと、作業工程を見直し、手間の掛かる内製品を辞め、味で勝る市販品を使い店を建て直す。そんな話だったか。
つまり、現代日本において、あの店のあのラーメンを再現するのでなければ、ラーメン屋の味を再現するのは容易い。
これがあるからだ。
ラーメンの麺を茹でるのには、大変な目利きが必要だ。おそらく、普通の塩・しょうゆラーメンは麺を丼に移す際、茹で汁をどれだけ切れるか、麺の表面のツルツル感をどこまで出すか(出さないか)で勝負をしている。
素人がノウハウなしに挑むものではない。
だから、もやしと乾燥わかめだけを具材として、ミニマムな醤油ラーメンをつくる。
明らかに手のかかった味。何時間だか知らないが、骨やら肉やら加熱して得られた出汁が濃縮されている。
手元で1分。制作時間数日。
贅沢。贅沢。
野菜の生育時間をかんがえたら、とても贅沢。
ミニマ厶ではあるが、手抜きではない。
紙パックの中で豚の脂が存在を主張する。
僅かな脂から、必要な香気は漂ってくる。
そうか、鶏や豚の生育期間も。これはとんでもない贅沢だ。
濃縮10倍 5リットル分のラーメンスープ。
オススメです。